【本・感想】不確実性超入門 / 田渕直也さん著【株と心のバイアスについて】
こんにちは。りゅうです。
先日、こちらの本を読みました。
株価などランダムなものに対して、人間がついつい抱いてしまうバイアスのかかった思考について学びました。
株価に興味のある方は必読です! あのファスト&スローの考え方も出てきます。
要約
まず、ランダムウォークに代表されるような、予想のできない物事ついてに触れます。
大体の分布は正規分布に従うんですが、経済に関するデータはべき分布に従う場合が多いと述べます。
(べき分布:片方の裾が長く、正規分布と比べて値がゆっくりと低下するような形)
説明のつかない動きが多い株価に対して、何故か自分の予想は正しいと思い込んでしまうこと、
予想が外れたときは、自分のせいではなく外的な要因で外れたのだと反省をしないことなど、
不都合なことについて考えない、人間の心理について説明します。
それを理解した上で、どのような考えに基づいて株を扱うべきなのか、分かりやすく丁寧に説明した良書です。
株でも買うつもりなんですか?
興味がないと言ったら嘘になりますが、笑
この本を手にしたのはタイトルに惹かれたからです。
実際に読むまで、株についての本とは知りませんでした。
不確実性について
不確実性という言葉に反応したわけですが、
出来事は確率的に起こったり起こらなかったり、
人間の行動が関与しないことも多かったりと、
不確実性をもつ領域が存在することを、勉強を通して、この頃何となーく意識していました。
この本でも同様のことがもっと突っ込んで語られており、
僕たちは説明のつかない物事にも理由を当てて、無理やり因果関係を作ろうとします。
この時点で結構たちの悪いバイアスだと思うんですが、さらに困ったことに......
うまくいったことや、成功したことに対する分析では、
- 努力を重ねたから成功したんだ
- 株価の上昇をうまく予想できたから利益が出たんだ
と自分の能力や行動に基づいて説明を組み立てようとします。
その一方で、失敗したときは、
- あんなことが起こるなんて誰も予想できなかったに違いない
- 予想は正確だったのに~~のせいでそれが変わった
と自分以外のせいにして説明しようと試みます。
こういった偏った思考法には、ついつい無意識に陥ってしまうもので、
自分で自分の思考が都合の良いものだと気付くことも難しいのです。
予想家とは一体何なのか
少し話は変わりますが。
株や競馬、競輪、ギャンブルに近いものには何でも、予想家と呼ばれる人がいらっしゃいます。
彼らは日々、研究に研究を重ね、何を買えば利益が出るのか予想を立てるんです
が、株価のように、説明のつく動きの方が少なくなった現代において、その予想が信頼のいくものだとは限りません。
本の中では、予想が全く無意味なものだとは述べていませんでしたが、不確実性を含むものの動きを当てることは大変難しいことです。
それでも、予想家と呼ばれる人がいらっしゃるのは、
そんな中でも株や馬券を当て、ガッポガッポと儲けているケースがあるからです。
しかし、それは短期的なものであり、長期的に当て続ける、勝ち続けることは難しいことを忘れてはなりません。
不確実性に手を出すとき
以上、株を筆頭とした動きに対して述べてきましたが、
決して「株を買うな!」と言っているわけではなく、
- 自分の予想を過信し過ぎないこと
- 当たっても自分を信じ過ぎないこと
- 外れたら何かのせいにするのではなく、自分の意思決定を振り返ること
を忘れないことが大切だと思います。
いつか株等に手を出すときは(いつになるのやら)、
自分の能力を過信し過ぎることなく、不確実なものに臨んでいることを自覚したいと思いました。笑