真面目に生きるのも楽しいよ

イタリア帰りの理系大学院生が、真面目でいることを自己肯定するために、勉強・大学の研究室・英語などなどについて綴ります

研究室に留学生の方が来ました! が色々とありまして......

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こんにちは。りゅうです。

同級生も少ない、先生も少ない、友達は本だけ、という真面目な生活を送っています。

 

が、そんな僕の元に、ちょうど2週間前......留学生がやってきました!

 

お国も、何となんとドイツから。

第二の祖国イタリアの近くですし、ドイツにも一週間ちょっと滞在したこともあるので、

実際にお会いする前から、勝手に妙な親近感を覚えていました。

 

お互いの趣味や研究内容を話のネタに、毎日楽しく会話をしています。

 

が、

 

今の彼の姿を見ていると、イタリアにいた頃の自分自身を見ているようで、

時折いたたまれなくなることがあります。

 

彼のどういった姿に、過去の自分自身を照らし合わせているのか。

いくつか挙げてみたいと思います。

 

 

・言葉の壁はどうしてもある

彼は日本語が喋れず、僕たちもドイツ語ができないので、

コミュニケーションは必ず英語を介します。

 

余談ですが、彼がやってくると知った後、一時期ドイツ語の勉強をしていました。

今は中断しちゃっています。汗

 

やっぱり、言語を学ぶにはモチベーションを保つことや、

勉強しないと生きていけない環境に身を投じることが大切なのか、と思ったり。

 

このお話はまた後日。

 

話を戻すと、英語で会話を行っているんですが......

正直、こちら側の英語が......察してください。

 

僕は、洋楽や海外ドラマ、洋書やポッドキャストによく触れているので、

彼の言っていることは聞き取れますし、何か話すのもそんなに手こずらないんですが、

 

他の方の......はい。

 

研究室の週一ミーティングも、彼に合わせて英語に切り替えているんですが、

研究の背景や内容をちょっとは知っている僕ですら、

研究室のメンバーが何を仰っているのか理解できないことがあります。

 

知識のある僕ですらこの様なので、来たばかりの彼にとっては......

 

ここで言いたいのは、英語が話せない日本人はダメだ! ということではありません。

日本に住み、日本語を使って生きているので、

英語に不自由することは何ら不思議なことではないからです。

 

ただ、彼の境遇を見ていると、イタリアにいた頃の自分がよみがえってくるんです。

ちょっと特殊なのは、僕の場合、英語が機能しませんでした。

 

僕にとって、イタリア語訛りの英語は、勉強中のイタリア語よりも難解だったんです。

かと言って、イタリア語が全部完璧に分かるはずもなく、

頭の中では文脈を読み、内容を推測するために脳がフル回転していました。

かなり骨の折れる作業だったと鮮明に憶えています。

 

留学生の彼は今、僕たちの不完全な英語を必死に聞きながら、

頭を必死に働かせているんだろうなあ、と。

 

僕の話と照らし合わせると、彼が日本語を習得すれば良さそうな話ですが、

日本語はめちゃくちゃムズいんです。

僕がイタリア語を何とか使えたのとは、訳が違います。

 

なので、ここは彼の頭に頑張って頂くのではなく、

僕たちが英語のスキルを上げるべきなんですが、

研究室でいきなり、「英語勉強しましょう」と言うのも変な話ですもんね......汗

 

僕と同じような危機感を、他の方々もお持ちであることを願います。

 

・うちは良くも悪くも放任主義

彼は僕たちの研究室に、当然ですが、研究をするためにやってきました。

彼はまだ学部生のため、何か専門らしい専門があるわけでもなく、

僕たちの研究室が行っている研究の中から、テーマを一つ選ぶことになりました。

 

で、彼が選んだテーマは、昨年度の学生が取り組んでいたもの

僕は大学を離れていたので、そのデータをいじったことはありません。

 

となると、よくその内容について知っているのは先生だけなんですが......

先生がなかなかの放任主義でして......。笑

 

放任主義については色々と思うところがあります。

今の留学生の彼同様、新しく研究室に入ってきた学部生に対しても、

同じような方針を取っているんですが、

これって、子を崖から落とすようなものでして。

 

何とか這い上がろうとする学生は「これ分かんないです!」と質問したり、

文献を漁ったりするんですが、

その過程で力尽きる人も多く......笑

 

自主性のある学生にとっては、放任主義は良いものだと思うんですが、

それ以外の学生にとっては酷なものです。

 

と書いてしまうと、留学生の彼がやる気のない学生であるように聞こえてしまいますが、笑

決してそう言いたいわけではありません。

 

僕が言いたいのは、あまりにも放任過ぎて、

研究に必要な最低限の知識すら、彼は知らないことがちょっと問題だと思っています。

 

僕たちの研究で扱うデータは、あまり他に類を見ないもので、

その特性等をネットで調べてもなかなか出てきません。

なので、僕たちが教える他ないんですが、一向にその動きはなく......

 

ここでも僕は過去の自分を思い出しまして......

イタリアでも、ほとんど何も分からないまま、

「これやっといて」と投げられることが多かったんです。

 

僕が今まで見たこともない数式や触れたことのない分野に携わっていたんですが、

考えても分からないことがたくさんありました。

そんなときは、上司によく質問をしていました。

 

この過去の経験から、今の彼の立場も嫌というほど分かるので、

何か資料でも作って渡そうかと思う一方、

いや、分からないことは自分から進んで聞くべきだ、と僕も放任してしまうべきなのか、葛藤しています。

 

......と言いつつ、後者のような突き放す行為は選びませんよ。笑

過去の先生の放任っぷりから、

(留学生の彼が困っていることを、先生はきっと知らないんじゃ......)と予想し、

「彼、データに関する前提知識がないので、僕たちが教えるべきですよ」とお伝えしました。

案の定、先生は「そうか、知らないのか......」と驚かれていました。笑

 

質問する力も大事だとは思いますが、

彼にばかり積極性を求めるのはあまり良いことだとは思えません。

相手が何を知らないのか、何で困るのか、ちゃんと想像することが大切なんです。

 

彼にとり、この日本滞在は(なんと半年も一緒に過ごします)大変心細いものであり、チャレンジングなものでしょう。

似た経験を持つ者として、研究のことも生活のこともケアしていけたらいいな、と思っています。