だるい朝とモーパッサン [脂肪の塊/ロンドリ姉妹 モーパッサン傑作選]
あまり口に出して言うのは好きじゃありませんが、今日はだるかったですね~。
体調が悪いとか、風邪引いたとか、そういったわけではないんですが、会社に着いたとき、ものすごくだるかったです。
まあ原因は明らかなんですけれど、
バスを40分以上待っていたからでしょうねえ...。笑
8時前に家を出て、会社に着いたのは9時過ぎ。
Google Mapsによると、うちから会社まで歩くと1時間で着くらしいです。
バスを使うよりも歩いた方が早く着くって面白いですよね。笑
こんな日に限って寒いんですよ。会社に着いてもしばらくは手が冷えたままでした。
木曜、金曜になると頭が回らないので、笑
今日はKindleで読んできた本の中から一冊紹介してみたいと思います。
脂肪の塊/ロンドリ姉妹?モーパッサン傑作選? (光文社古典新訳文庫)
- 作者: モーパッサン
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/01/27
- メディア: Kindle版
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ででーん。脂肪の塊。
Kindle Unlimitedには大変お世話になっています。
4月~10月まで使っていなかったことを、ほんっっっっっとうに後悔しています。笑
その遅れを取り戻すように、毎日せっせと読書に励んでいます。
で、
以前も書いたように、Unlimitedで読める小説って限られているんですが、光文社古典新訳文庫だけ死ぬほどあるんですよ。笑
こてんしんやくかああああー、と思いながらダウンロードしましたが、一冊目からもう惹き込まれました。ドストエフスキーの白夜を読んで、「あ、こんなに普通に読めるんですね!」と。
それ以来、光文社様には頭が上がりません。
今まで手に取らなかったフランス文学に触れることで、大変充実した毎日を送っています。
バスを待つのも何ら苦じゃありません。嘘です。
で、その中で出会ったのが、このモーパッサンの「脂肪の塊/ロンドリ姉妹」です。
(最近、前置きがどんどん長くなっていますね。笑)
脂肪の塊は、普仏戦争をテーマにした作品です。
戦争が関係している、ということは読む前に知っていましたが、
タイトルと、戦争ということもあって、勝手に、
「戦争で倒れていく兵士たちは、生きていたものから脂肪の塊へと変わっていく」とか「所詮、脂肪の塊が、脂肪の塊を撃つだけである」とかそういったものを想像していたんですよ。
多分、櫻井忠温さんの日露戦争を題材にした「肉弾」と結びつけてたんだと思います。
内容は違いました。誰も撃たれず、誰も死なず、戦争の中を彷徨う人間模様が描かれた作品でした。
読んで頂くのが一番ですし、僕もあまりあらすじは書きたくないので、この小説を読んで、僕が何を思ったのか、を重点的に述べたいと思います。
小説の舞台は、100年以上も前のフランスです。
戦火から逃れるため、人びとは馬車に乗って遠くの地を目指すんですが、
混乱の真っただ中でもあったため、位の高い貴族と、職業も職業なだけにあまりそういった人びとと関わらない娼婦が、同じ馬車に乗り合わせることになりました。
そんな馬車はなかなか上手いこと進まず、ついにある家屋で足止めを食らうんですが......。
というところで止めておきます。上手く書ける自信もないので......。笑
僕が好きなのは、100年前も、そのずっと前も、そして今も、これからも変わらないであろう人間の姿を描いているところです。
貴族なんて今そうそういねえじゃねえかよ、と言う方もいるかと思いますが、
貴族を普通のサラリーマンにでも何にでも置き換えても、この物語は十分成り立つものだと思います。
誰もが実は、この小説の貴族たちと同じように、誰かのことを利用するだけ利用して、いらなくなればポイ、みたいなことをしているのではないか、と。
そして利用された側はとてつもない悲しみを背負って、
利用した側はその罪の意識を感じていない。
感じないどころか、そもそも悪いことをしたとは気付いておらず、
「みんなのために良い働きをしたんだ」とむしろ良い気分になっているんだと思います。
いや、勿論、
金持ちめ! とか、 政治家め! とか、
僕が言いたいことはそうじゃありませんよ。笑
誰もが自分で作りだした勝手な言い分にかこつけて、都合の良いように誰かを利用することがあるんじゃないか。
その裏で、もしかしたら、小説のラストで描かれる娼婦のように、〇〇している人がいるのでは......?
悪気のない人ほど怖いものはないんです......何でもできちゃいますからね、自分のために。
傍から見ると酷いことをしているけれど、当事者になってみれば、その罪に気付くことすらない。そういったものが描かれていると僕は思います。
と、まとまりもなく、色々言ってきましたが、感動するとともにゾッとするような小説でした。
もし自分がこの馬車に乗り合わせてたら、一体どの立場に落ち着くんだろう?
そう思うとちょっと怖くなります。死ぬほど面白いんですけれどね。
世界的名作でもありますので、教養のため、小説を純粋に味わうため、脂肪の塊というタイトルをより深く味わうためにも、是非読んでみてください。