メタル脳、読みました
メタル脳、読みました。
ひじょ~~に面白かった!!笑
さっと読めました。1時間ちょい? でも内容は深かったですね。
まず驚いたのは、中野さんがメタルをお聴きになるということ。
穏やかそうで知的な話し方をなさるイメージからは、とても想像つかない......
まあでも、僕の見た目もメタラーっぽくはないか。笑
第一章がもう素晴らしすぎて、泣きそうに。
メタルに目覚めた後も、周囲と音楽の話が全く合わず、というのは本当に頷けました。
いや、いないんですよね、メタル聴く方。
友達にメタルファンいませんもん。出会ったことすらないです。
唯一メタルの話が出来るのは、お母さんの弟、オジサンとだけです。笑
僕も10代の頃、オーケストラ部でクラシックをやりながら、TSUTAYAに行ってMetallicaのCDを借りるという、何か隠れ〇〇みたいに生きていました。
そんときはネットで調べることもなく、とりあえず名前だけ聞いたことのあったMetallicaのCDを探し、手に取ったのは悪名高い「St.Anger」笑
St.Anger、超嫌われていますが、1曲目のFranticと2曲目のSt.Angerは名曲だと思うんですけどね。誰か賛同してくれ。
でも、どうしてメタル聴いたか、よく憶えてないんですよ。気付いたら取っていた、というようなカッコつけた言葉が一番しっくりくる。
高1の頃だったんですけれど、確かにあんとき、超シャイでクラスの女の子と口をきいた記憶が皆無......
って、僕の話はどうでもいいんですよ。笑
その後の章で続く、メタラーの性格や考え方は、もう本当にその通りというか。
「僕ってそんなにメタラーなのか?」と不思議な気持ちになるほど、ずばずばと当たる。
内向的、とか、非社会的、とか。笑
メタラーが他のジャンルを嫌う理由も納得できました。
メタル音楽自体については、なるほどな、と感じる部分がたくさん。
僕が今の日本の音楽を毛嫌いしている理由は、電子音に頼り過ぎててどこか嘘っぽいからなんですが、
それと比べると、メタルはわけわからんソロとか生で弾きまくってますもんね。超上手いし。
最後の章はずっしりと重くなり、深かったですね。メタルを聴かない人が読んでも間違いなく面白いはず。
メタル音楽の話から、「どうして人を殺してはいけないの?」までぶっ飛ぶのは驚きでしたが、まあ言われてみれば確かにな、と。笑
ちょっと真面目な話になりますが、
本でもあった通り、「どうして人を殺していけないの?」というお話。
この中野さんの本を読む前から、哲学の本などで嫌というほど目にしてきたテーマですが、
この本で新しい視点が見えてきました。
なんて言うんでしょう。
元々誰もしたがらないことだったら、「~~しちゃいけません!」なんて禁じないと思うんですよ。
例えば、「怒ったときにコンクリ殴っちゃいけません!」みたいなことって誰も言いませんよね。
(まあたまに殴る人はいるかもしれませんが、笑)むしゃくしゃしたときに「ああ~、コンクリ殴りてえ!」って思うことはまずないですし、殴ったら殴ったで、手が超痛くなりますから、誰も殴らないんですよ。
だから、「コンクリ殴っちゃいけません!」という決まりはそもそもない。
けれど、人を殺してはいけない、というのは決まりになっている。
ということは、こういう決まりを作らないと、人は人を殺しちゃう、ということ。
そういう欲求というか衝動が生まれるのは、否定できないと思うんです。
当然ですが、人殺しを肯定しているわけではなくて。笑
でも、そういう衝動があることを認めず、とにかくダメなものはダメ、としか言えずにいるので、「どうしてなんだろう? うーん」と悩む機会は意外と多い、と思う。
で、現実では、殺人事件こそ裁かれるけれど、戦争や紛争ではめちゃくちゃ人が死んでいる。で、そういう殺人は国家や宗教、思想があおっている。事実として。
で、「ダメなの! ダメなものはダメなの!!」と言うんじゃなくて、「そうそう、そういう衝動とか欲求って実際あるよね」と教えるのがメタル、という。笑
これは難しいですね、僕は別に、そういう欲求にかられたことがないので......笑
けれど、メタルが本物っぽいってのは心から賛同します。
ポップスとか嘘ばっかりだもん。笑 あんなハッピーな世界ってないでしょ。笑
現実から離れすぎてて、共感する要素が全くないような。
なんかうーん、メタルを聴かない方にも手に取ってほしい本ですが、メタルを聴かない人は買うのかな、どうなんでしょう。笑
けれど、めちゃくちゃ面白かったです。メタル聴いてる人ってどんな人なんだろう、と気になる方は是非是非是非是非、読んでみてください。